「レスターさんと仲直りすればいいのに」
愚痴をこぼしに来たパティにきっぱりととコープルは言い放つ。
二人の喧嘩はとても些細なことが原因で、そして微笑ましいものだった。
だからパティがいつまでも苛々している必要なんてない。
「少しだけパティさんが大人になって、レスターさんに謝って、そうしたらそれで解決です」
コープルの言葉に、可愛くない意見、なんて返してパティは口を尖らせる。
可愛くないのはどちらの方だか。
「可愛くなくていいんですよ」
そういう顔を見せるのも、下らないことで言い合いをするのも、全部全部自分の前でだけだと思っていた。
素のパティを独占している気になっていた。
自分の前でだけ可愛くないパティでいてくれれば良かったのに。
(少しだけ僕が大人になって、レスターさんに謝るように促して、そうしたらそれで解決だ)
「あーあ、やっぱりコープルって子供っぽくない」
だから何だと言うのだろう。
何も変わりはしないのに。