リーフに相応しいのはフィーのような人だとナンナは考えていた。

ラナやラクチェのようにセリスの幼馴染みだった人は駄目だ。リーフが気にしてしまうから。
ティニーのようにレンスターに対抗する部隊に所属してした過去のある人もいけない。
個人的な意見だけれど、盗賊や踊り子はあまり良くない。

そうして残るのはフィーとユリアで、どちらかと言えば快活な方がリーフに合っているような気がするのでナンナの一押しはフィーだった。

と、そんなことを考えていたのは過去の話。

ユリアはセリスと異父兄妹だったし、フィーはマンスターの勇者の妹だった。
「セリス様の妹をお嫁さんにもらうなんて畏れ多い」で「マンスターの勇者の妹をお嫁さんにもらうなんて畏れ多い」だ。

なんて、リーフのことをすごく考えている風の自分に気が付いて溜め息を一つ。

リーフとあまり接点のない人が結ばれれば良いと考えていたというのは、本当は嘘だった。
接点の少ない人ならば自分の嫉妬が最小限で済むだろうというのが本音だった。

それでも今もフィーの姿を見る度に目線で追ってしまう。
それはきっと、彼女の天真爛漫な笑顔と対面したいと望んでいるからかもしれない。
リーフの相手はフィーが良いという結論に至ったのも、そういう感情ありきだったのかもしれない。

(明日は話しかけてみよう)

青空を飛び回る自由闊達な彼女を見つめ、決意を胸に。